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使える?使えない?AWS WorkDocsの試用レビュー

以前AWSのEC2等の記事を投稿しましたが、AWSではEC2のような仮想サーバだけでなく、実にさまざまなサービスが展開されています。

今回からはAWSの中でも、企業の生産性向上を主眼としたエンタープライズアプリケーションというカテゴリに属するサービスについて紹介いたします。

AWSのエンタープライズアプリケーション

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AWSの中で、エンタープライズ(企業向け)アプリケーションに所属するサービスは3つあります。
先ほど説明した通りエンタープライズアプリケーションに所属するサービスは企業の生産性を高めるアプリケーションがメインです。

  • WorkSpaces:クラウドで動作する管理型デスクトップコンピューティング
  • WorkDocs:完全マネージド型のセキュアなエンタープライズストレージおよび共有
  • WorkMail:セキュリティに優れたマネージド型の企業向け E メールおよびカレンダー

今回はこの中からWorkDocsについて紹介したいと思います。

WorkDocsとは

AWSが提供する企業向け向けのクラウドストレージです。もともとAmazon Zocaloという名前でしたが、WorkDocsに名称が変更になりました。

2015年6月に東京リージョンで利用可能になったサービスですので、まだまだ知名度は低いかもしれません。

1ユーザー200GBで月額5USドル(約600円)で利用が可能です。

競合するサービスとしてはDropboxやOneDriveといったクラウドストレージになりそうですが、これらのクラウドストレージが無料版を展開する一方で、有償版のみのWorkDocsがどの程度使えそうなサービスであるか楽しみです。

セットアップ

では早速触ってみましょう。

使い始めるのは至って簡単です。まずはWorkDocsへアクセスします。
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クイックスタートと標準セットアップが選択できますが、今回はクイックスタートで始めます。
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サイトURLを好みのものに設定。今回はnediatestとしました。
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初期化が始まりました。10分ほどで使えるようになります。
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ステータスが「有効」になり使えるようになりました。
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こんなメールが届きますのでリンクをクリックします。
ちなみにHTMLが表示できないとリンクがクリックできませんでした。
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パスワード等を入力します。なお、私のGoogle Chromeでは何故かこの画面に遷移せず仕方なくInternet Explorerを使いました。
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これでセットアップ完了です。非常に簡単ですね。

WorkDocsの基本的な使い方

セットアップが完了したWorkDocsを早速使ってみましょう。
これがログイン直後の画面。
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試しにテストファイルをアップロードしてみました。
ドラッグアンドドロップで簡単にアップロードできますので、このあたりの使い勝手はDropboxと遜色ありません。
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アップロードしたファイルを開くとこんな感じ。
ただし直接編集はできません。
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マイドキュメントにあるファイルは共有をすることで、他者とのファイル共有が可能になります。
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権限管理

共有するファイル単位、フォルダ単位で公開するユーザーの選択と閲覧だけなのか編集もできるのかの選択が可能です。シンプルなので迷いません。
後に説明する管理メニューでも感じたことですが、ユーザー数が増えてくると大変なので、グループ単位での編集ができると良いなと思いました。
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Workdocsのフィードバック機能

Workdocsはフィードバックという機能があり、共有ファイルに対し他のユーザーへフィードバック(いわゆるコメント)を求めたり追加したりすることが可能です。

ファイル共有時にフィードバックを求めることも可能です。
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別のユーザーでフィードバックを追加します。
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また、共有ファイルの一部分をドラッグしてフィードバックを追加することもできます。
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こんな感じで矢印が表示されています。
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ちなみにフィードバックは辞退することも可能です。

企業向けのアプリケーションと銘打っているだけあり、ただ単純にクラウドストレージとしてファイル共有をするだけでなく、コミュニケーションに着眼した良い機能だと思います。

管理メニューはいたってシンプル

WorkDocsの管理者のみがアクセスできる管理メニューは非常にシンプル。
ストレージの管理とドキュメント参照リンクの公開範囲、新規ユーザーの招待と管理だけです。
正直企業向けとしてはここでグループ分け等、もう少し詳細な管理ができれば良いかなと感じました。
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Windows用のアプリケーションもある

WorkDocsではDropbox等のクラウドストレージと同様にWindows用のアプリケーションが用意されており、ダウンロードすれば使えるようになっています。

Windowsに常駐し、指定したフォルダへWorkDocs内のファイルを同期します。

しかし、WebDAVには非対応ですので、Owncloud等で実施できるネットワークマウントには対応できませんでした。

Dropboxとのアップロード・ダウンロード時間の違い

ではクラウドストレージとして有名なDropboxとのアップロード・ダウンロードについてはどのように違うでしょうか。

手元にあったwordpress-4.3.1-ja.zip(7.4MB)をWorkDocsとDropboxへアップロード・ダウンロードして時間を計測してみました。

WorkDocs Dropbox
アップロード 約5秒 約23秒
ダウンロード 約6秒 約13秒

アップロードやダウンロードを実施している時間帯によって変化すると考えられますが、体感的にもWorkDocsの方が圧倒的に高速でした。
やはり企業向けという名に恥じない実力ですね。

使用例を考える

それではWorkDocsの企業向けの利用方法を考えてみます。

情報漏洩対策に

現在USBメモリが普及していますが、うっかり紛失してしまうというケースをよく耳にします。ネットワークがあればWorkDocsへアクセスができるので、このようなうっかり紛失はなくなります。

また、企業の重要情報を無償版のクラウドストレージで済ませてしまうというのは、コンプライアンス的に良くないので有償版を使いたいですね。

ペーパーレス化

社内会議をWrokDocsを使ってペーパーレス化。
フィードバック機能もあるので、会議中のメモを取ることも可能です。

また、紙媒体がなくなるため、前述のうっかり紛失も減ることになります。

バックアップはどうなっている?

企業向けと謳っているからには重要なバックアップ。誤って重要ファイルを削除してしまった時などバックアップがないと運用上問題が出てきます。

WorkDocsのバックアップはどうなっているのかと調べたのですが、AWSのドキュメント上に明確なバックアップポリシーがありませんでした。

この部分は使用者側がうまくバックアップを行うスキームを考える必要がありそうです。

工夫次第で使える「あり」なサービス

良い点もまだまだな点もありましたが、Dropboxと比較しても遜色ないサービスだと感じました。

Dropboxにも有償版があり同様のことは可能ですが、使えるクラウドストレージの選択肢が増えたと感じます。

使えるかどうかのひとつの判断材料となる価格についても、1ユーザー200GBで月額600円は特別高いものだとは感じませんでした。

しかしながら前述のバックアップについては、やはり企業向けとして物足りない印象がありますので、この部分をうまくスキーム化することで、企業が利用しても良いサービスではないかと思います。

次回は現時点でまだプレビュー版ではありますが、このWorkDocsとも連携可能なWorkMailを紹介したいと思います。